デジタル化じゃダメなんだ。DX化しなくちゃ!

本編の結論

  • DX化によって新たなビジネスモデルをつくれ!これが起業家の使命だ。
  • 新規事業の真価は新たなビジネスモデルにある!これが起業家の仕事だ。
目次

1.まず、デジタル化とDX化の違いを理解することから

DXという言葉が世間で口にされるようになったのは2018年に経済産業省が

デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進するためのガイドライン

を取りまとめてからのことです。しかし、当時のマスコミなどで説明されていた解釈はほとんどの場合“業務改善のデジタル化”を主に捉えていた内容でした。

つのだ

そのように捉えていた経営者、ビジネスパースンが多かったように思います。

私もご多分に漏れずDXとは、“デジタルディスラプションに向けたデジタル化”ぐらいの認識でいました。今日ではさすがに

  • 業務改善のデジタル化
  • ビジネスモデル改革のDX化

ちゃんと分けて捉えることができるようになった気がします。

DXとは

※「Digital Transformation(デジタルトランスフォーメーション)」の略語
※日本語の直訳……「デジタル革新」や「デジタル変換」という意味

デジタルディスラプション(Digital Disruption)とは

※ 新たなデジタルテクノロジーの登場により、新しい商品・サービスが生まれて既存の商品・サービスの価値が失われ、市場が破壊される現象を意味する。
※ 日本語の直訳では「デジタルによる破壊」や「創造的破壊」と言われることが多い。

2.DXの向かう方向性とは?ビジネスのイノベーションにあり

つのだ

DXについて、私は自分なりの定義を示します。

DXとは『デジタルで新たなビジネスモデルを創り出すこと』です。

分かりやすく言えば、デジタルはあくまでも手段、ツール。起業家の本来の仕事はビジネスモデルを新たに創り出すことであると言うことです。これを別の表現では、‟ビジネスの変革”、つまり、

‟イノベーション” (Innovation)

と言ったりもします。

そして、起業家はDXを一つのキーワードとして新たなビジネスモデルを創造する担い手となるべきです。業務改善の担い手ではありません。新しいマーケットを創り出すために新しいビジネスモデルを創り出す。

ピーター・ドラッカーは企業の目的を「顧客の創造」と定義しましたが、「DXの目的は顧客創造のための新たなビジネスモデルを創り出すこと」と言えます。

つのだ

これこそが、‟アントレプレナーの使命”と言ってよいでしょう。

ここで用語の整理をしておきます。

  • 改善とは……「現状を肯定してより安く、より早く、より簡単に仕事を進める方法論」
  • 改革とは……「現状を否定して新たな考えで、新たな方法論によって新たな価値を生み出すこと」

この改革は主に業務の範疇を意図しています。ですがもし、ビジネス自体を指した場合は‟変革”と呼ぶようにしています。そして、変革はイノベーションと呼んでよいでしょう(昔は技術革新をイノベーションと呼ぶことが多かった)。

広義ではDXを業務改革とビジネスモデル変革の両方を指すこともありますが、私は狭義の解釈でズバリ「ビジネスモデルの変革」としています。

3,DXの事例から学ぶこと。デジタルだからできる新たなビジネス

本記事で申し上げたいポイントは

業務改善のためにデジタル化を推進することは決して悪いことではないが、ChatGPTの台頭を見ても分かるようにデジタル化はDX化に向けて活用した方がよい。

と言うことです。

ビジネスモデル自体が旧態依然となったまま、時代や市場、まして、顧客の変化についていけない状態となってしまっていては、いくら現状の業務をデジタル化によって改善し続けても意味をなさないということ。ある種、悲劇とも言えます(その事業が遅かれ早かれ崩壊してしまう恐れがあるから)。

例えば、

アプリを活用し建築現場で稼働している機械の故障をいち早く診断できることや、ドローンを使って農薬を散布すること、また、へき地に薬を届けることなどは業務改善にあたるデジタル化です。

つのだ

アプリはデジタル化のツールです。

もし、このデジタル化をビジネス展開に応用すると、既に存在していますが、職人と工事会社をマッチングさせるサービスが実現できます。これまでにないビジネスモデルです。これなどはDX化の典型です。確かにデジタル化によってサービスアプリを使っています。

しかし、その使われ方は新しいビジネスモデルの中核となっている。調べてみましたら2022年の2月現在で既に15万人の職人が登録しているというのですから、新たな価値によって新たなマーケットを築いていることになります。

*このサービスは「助太刀」といいますが、工事の受発注から支払いの決済、そして、管理業務などの一切をデジタル化することで、生産性の向上(業務改善の面からも)に大きく貢献している。

ことこのようにマッチングビジネスは近年、多種多様に生まれています。少し過当競争気味になっている業界もありますが、ますます増えるでしょう。これらのほとんどはデジタル化をベースとして新たなビジネスインフラを築き、新たなビジネスモデルを完結させているのです。

つのだ

とてもエキサイティングな時代になりましたね。

まとめ

起業家はどのような時代においても顧客のまだ体験していないニーズに対して、新たな技術を駆使し新たなマーケットを創り出すことを使命と考えるとよい。つまり、顧客創造を新たなビジネスモデルで実現することだ。このことを最近、デジタル化によるDX化と呼んでいる。

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この記事を書いた人

中小企業の社長に向けて、「毎年黒字企業」になる方法を発信しています。20代で株式会社3社を起業。約35年間、経営者として活動中。国立大学でも客員教授を約20年間務めています。バンドでギターを弾きまくってます。

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