“結界”という言葉、時々、スピリチュアルの世界で耳にします。そして、耳にするたびに気になっていました。
※結界:僧尼が規則に合った適切な行動を守るために、ある一定の地域を限ること。転じて、商家で帳場の囲いとして立てる格子や、茶室で客畳と道具畳の境界を示す置物の意にもなっている。
(仏教用語/ブリタニカ国際大百科事典)
摩訶不思議なことを話すつもりは毛頭ありませんが、何かビジネスの世界に結界に似たものが存在しているように思っています。
一般的な理解ですと、「俗な世界と神聖な世界を区切るもの」といったことになるでしょうか?所謂、特別な聖域空間との境を思い浮かべます。
では、ビジネスの世界での結界とはどのようなことを指すのか?思いつく限り3つの場面がありそうです。
1、組織と個人の結界
2、損得と善悪の結界
3、現在と未来の結界
1、組織と個人の結界とは? ⇒ 組織の考え(理念など)に従って働いているが、その中にも個人の考え(信条など)があり、そこには結界がある。
ときどき、その結界を超えて個人の考えが侵害されてしまうことがある。
つまり、組織と個人の相克である。
2、損得と善悪の結界とは? ⇒ ビジネスには善悪の世界(論語)と損得の世界(ソロバン)がある。ときどき、聖域である善悪の世界を軽視し、損得の世界を優先してしまうことがある。
3、現在と未来の結界とは? ⇒ 経営は今を生きるために稼ぐ場面と未来を生きるために投資する場面がある。現実に追われ未来を無視してしまう。
また、未来を見過ぎて現実を無視してしまう。現実は妥協の産物となりやすい。未来は理想を求めている姿といえよう。そこには結界があるはずで聖域は理想に向かう未来にある。
まとめますと、ビジネスの世界にある3つの結界、つまり、聖域の境にこそ“尊いもの”、“大事なもの”、むしろ、そこにこそ“真価”があり、そこには哲学や理念、思想といったものがどうしても必要だということです。
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